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こんにちは。なんこう(@nankochu_)です。
今回はイヤホン界の神ジェリー・ハービー氏が創設したメーカー「JH Audio」より片耳12ドライバというバケモノスペックのイヤホン『ROXANNE AION』を紹介します。
JH Audio
ROXANNE AION
-
- 高域
- 4
-
- デザイン
- 5
-
- 音場
- 4
-
- 低域
- 5
-
- 中域
- 4.5
- 超高解像度で濃密なサウンド
- 極太な低域 (調整値フルテン時)
- 唯一無二のサウンド
JH AudioのRoxanneの歴史はとても長く、2013年に初代のカスタムモデルが発表されてから現在までフラグシップモデルとして発売されているモデルです。
発表された当時は、片耳に12基のドライバを搭載ということでカスタムIEM業界で例を見ない超ハイスペックな製品として注目を集めていました。もちろんサウンド面でも定評があり、12基のドライバから繰り出される濃密なサウンドに陶酔するユーザーを何人も見てきました。このRoxanneの登場によりイヤホンの多ドライバ化に革新が起きたのを覚えています。
今回レビューする『ROXANNE AION』は2020年に発売されたユニバーサルモデル。先代のモデルから大幅なデザイン変更があり、より小型で洗礼されたボディになりました。ボディや音質面についてレビューしていきましょう。
ROXANNE AIONのスペック
スペックはコチラ
SPEC | ROXANNE AION |
---|---|
形状 | カナル型 |
ドライバ | バランスド・アーマチュア型 |
ドライバ構成 | High ×4 Mid ×4 Low ×4 |
周波数特性 | 10 - 23,000 Hz |
入力感度 | 119 dB |
インピーダンス | 17 Ω |
リケーブル対応 | 〇 |
イヤホン端子 | 7pin (JH独自規格) |
プラグ形状 | 3.5 mm ミニプラグ |
High, Mid, Lowに各4ドライバ、計12基ものドライバを積んだものすごいスペックです。この12ドライバを綺麗に駆動させるために「soundrIVeテクノロジー」「freqphaseテクノロジー」「Sonic Tube Chassisテクノロジー」と呼ばれる3つの独自技術を採用。3つの内容は割愛しますが、どれもIEM老舗のJH Audioならではの技術です。ノウハウを見せてきていますね。
また、ノズル部には「Acoustic Sound Chamber テクノロジー」というものを採用。ノズル先端が凹形状にへこんでおり音導管に異物や汗が混入しにくい構造になっています。
ROXANNE AIONのパッケージ&付属品
パッケージ
パッケージを確認しましょう。
黒くとてもシック。JH Audioのロゴが印字されており大変かっこいいです。
蓋を開けるとROXANNE専用のケースがお出迎え。このケースの中にイヤホンが封入されています。
付属品
付属品
- アルミニウム製フリップトップキャリングケース
- IEMケーブル(3.5mm 3極/7pin/低域調整搭載)
- シリコンイヤーピース (S/M/L)、フォームイヤーピース (S/M/L)
- 低域調整用スクリュードライバー
- クリーニングブラシ
ROXANNEは付属の低域調整用スクリュードライバーを使用することで低域を調整することが出来ます。こちらがそのドライバー。普通にただのマイナスドライバーですね。
ケースはアルミニウム製のゴッツいのが付属しています。大きさの割には厚みがないので、ちょっとイヤホンを入れにくいです。
ROXANNE AIONの本体レビュー
本体
続いてイヤホン本体をチェックしていきましょう。
白と黒をメインとしたデザイン。フェイスプレートにはパーロイドと呼ばれる真珠を模した人口素材が使われています。パーロイドはギターのピックガードとかポジションマークに使われているキラキラしてるやつですね。
シェルは数百層に圧縮したカーボンファイバーに樹脂を注入したものということで、白黒の層になっておりかっこいいです。
横から見たらこのような感じ。
ステムはやや長め。太さは普通なので市販のイヤーピースでも問題なく装着できます。
またコネクタはJH独自の7pinコネクタになっております。ドイツ製のミリタリーグレードということで、耐久性はバツグンとのこと。挿抜も容易で使っていてストレスを感じませんでした。
続いて付属のケーブルの確認です。
素材は4N銀メッキ高純度OFC。標準で銀メッキ線が付属しているのは流石高級機といったところですね。めちゃめちゃ豪華です。
7pinコネクター部はこのような感じ。簡単なつくりに見えますが、挿入方向が間違っていると刺さらなかったり、Oリングがついていて水分の侵入を防いでくれたりとしっかりとしたつくりです。
一番の特徴は低域調整機能がついていること。ケーブルの途中にこのようなダイヤルがついており、付属ドライバで回すことにより低域の量を調整することが出来ます。
取り付けるとこのような感じ。めっちゃかっこいい!!!!
装着感
私の耳にはギリギリ合わなかったです。正確には右側だけサイズが合わなかったです。前モデルよりもはるかに小型になりましたが、まだ少しだけ大きく、左耳にはすっぽり収まったのですが右耳はややはみ出してしまいました。
それに加え本体が重いのでポロポロ落ちてしまうことに。耳が小さい人は注意が必要です。
標準ケーブルの耳にかかる部分のワイヤーが短く曲げきれないのも一つの問題かなと思いました。
ROXANNE AIONの音質レビュー
続いて音質レビューに入りましょう。
DAPはAK380 Copper直刺しとなります。
JH Audio
ROXANNE AION
総評 :
-
- 高域
- 4
-
- デザイン
- 5
-
- 音場
- 4
-
- 低域
- 5
-
- 中域
- 4.5
高域 :
音の輪郭がくっきりとしている高域です。ぼやけていることがなくハットの音などハッキリと鳴らしてくれます。めちゃめちゃ元気サウンド。余韻を綺麗に鳴らすタイプではなく、音が鳴っているその瞬間をとにかく強く鳴らす感じ。立ち上がり立下りの表現力はイマイチ。
中域 :
解像度がダンチな中音域です。とにかく音の分離感がすさまじく、アイドルものなど歌唱人数の多い楽曲でも個々の歌声を綺麗に分離して聴くことが出来ます。ギターやピアノなどの楽器の表現力・解像感も高く、満足感は十分です。
低域 :
低域はブリブリの極太サウンド。しかしながらボヤボヤしているわけではなく、きちんとサウンドの地盤を固めてくれるいい音です。個人的にはバスよりもベースのサウンドに注目してほしいです。生音感が半端なくて目の前にベーシストがいるかのような質感。若干ウォームよりなサウンドなのでスラップよりはフィンガーやピッキングでの音の方が聴いていて心地いいですね。低域は調整可能ですが、通常時ではやや物足りないと感じました。個人的にはフルテンがおすすめです。
音場 :
音場はやや広め。音の定位感がとにかく秀逸で、持ち前の分離感と合わさって楽器の音、ボーカルの立ち位置などがしっかりと聴き分けられます。
総評 :
とにかく高解像度でどの帯域でも音の輪郭がハッキリとしている元気サウンド。音楽を聴いていてとても楽しく感じます。情報量が多く、音の波に飲み込まれるような感覚になりますが個々の音の質がとてもいいため、雑味がなく不快感は全くありません。骨太な低域が全体のサウンドをまとめ上げているところも個人的には大好きなポイント。低域はケーブルにて調整できますが、半分以上は回すことをおすすめします。めっっっっちゃ楽しいですよ!
Good
- 濃密で情報量の多いサウンド
- 低域メインで骨太
Bad
- ややこもって聴こえる
- スッキリとしたサウンドを求める方には合わない
ROXANNE AIONにオススメのアニソン
この項目では、筆者がこのイヤホンに合うと感じたアニソンを紹介します。
ROXANNE AIONのまとめ
このような人におすすめ
- 低域大好きな方
- 様々なイヤホンを所有していて個性的なモデルが欲しい方
今回はJH Audioより『ROXANNE AION』をレビューしました。
2013年より発売されているJH Audioのフラグシップ「Roxanne」の最新モデルですが、フラグシップの名に恥じない超濃密で元気なサウンドでした。とても個性的なサウンドでしたが、解像度・分離感などは一級品で長年愛されてきた理由が分かった気がしました。
ボディも高級感があり、所有欲は満たせると思います。
気になった方はぜひ試聴してみてください。