おすすめ度 :
こんにちは。なんこう(@nankochu_)です。
今回はカスタムIEM界の老舗「JH Audio」からハイブリッドモデルであるLOLAをレビューします。LOLAは2017年に発売され、現在ユニバーサルモデルはディスコンとなっていますが、カスタムモデルなら購入可能です。
販売代理店サイトはコチラ
JH Audio
LOLA
-
- 高域
- 4
-
- カスタマイズ性
- 5
-
- 音場
- 3
-
- 低域
- 3
-
- 中域
- 4.5
- 押し出しが強く豊かな中域
- 低域が調整できるため自分好みにカスタマイズ可能
- ボーカルやギターがメインの楽曲におすすめ
JH Audioのイヤホンはしばしば洋楽に登場する女性の名前をとることが多いですが、今回はロックバンドThe Kinksのタイトル「LOLA」からのようです。
このLOLAの設計背景には、ガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュが深く関わっているとのこと。JH Audioの設立者ジェリー・ハービー氏はスラッシュの愛用するマーシャルアンプから鳴るギターの音を忠実に再現できるように設計したそうです。
それでは、どのような音であるのか確認しましょう。
LOLAのスペック
SPEC | LOLA |
---|---|
形状 | カナル型 |
ドライバ | ハイブリッド型 |
ドライバ構成 | High ×4 Mid ×2 (4.9mm Dynamic) Low ×2 |
周波数特性 | 20 - 20,000 Hz |
入力感度 | 105 dB |
インピーダンス | 16 Ω |
リケーブル対応 | 〇 |
イヤホン端子 | 4pin (JH独自規格) |
プラグ形状 | 3.5 mm ミニプラグ |
ドライバの構成が特徴的です。中音域にダイナミックドライバを2基搭載しています。2基の4.8mm径ドライバーを向かい合わせに連結させることで、省スペースながら9.8mm相当のサウンドを実現しているとのこと。
また、片耳全8基のドライバをJH Audio固有の技術「FreqPhase」テクノロジーでチューニングしています。この「FreqPhase」というのは、各ドライバから出力される音が耳にたどり着く際のタイミングのズレを解消するための独自技術だそうです。
LOLAの付属品
借り物の為、付属品が揃っていません。ご了承ください。
公式サイト記載の付属品は以下となります。
付属品
- IEM Cable (Variable Bass output)
- Jerr Hervey Signature IEM Case
- ドライバー (LRの低域調整用)
- WaxTool
- イヤーチップ (シリコン・フォーム)
- 保証書
金属製の頑丈なケースが付属しています。
正直、筐体の大きさの割に入口が狭く、イヤホン本体の大きさも大きいことから使い勝手はあまりよろしくないです。
LOLAの本体レビュー
本体
イヤホン本体をチェックしていきます。
ハウジングは樹脂製となっています。流石カスタムIEMメーカーといったところでクオリティは非常に高いです。
フェイスプレートはカーボン調、金色のJH AudioロゴとLOLAロゴが非常にかっこいいですね。
イヤホン側のコネクタはJH Audio独自の4pinコネクタとなっています。リケーブル可能ですが、MMCXコネクタや2pinコネクタのケーブルは使用できないので注意が必要です。
ノズルが非常に長いのも特徴的です。音導管には金属パーツを使用しているため、ノズル折れの心配はなさそうです。しかし、ノズルが長すぎて私の耳には合わず、耳からかなり飛び出た状態になりました。装着感は人を選びそうです…
ケーブルはJH Audio特製の低域調整可能4pinケーブルが付属しています。
ダイヤルを回すことで左右個別に低域のボリュームを0~+12 dBまで調整することができます。
ケーブルを装着するとこのような感じです。
装着感
あまりよくはないです。ノズルが細く長いため耳の奥まで入って固定されるのですが、あまりにもノズルが長すぎる。
筐体も非常に大きいので耳からとても飛び出します。ケーブルを耳にかけようにもあまりにも不安定でした。
LOLAの音質レビュー
それでは、音質レビューに入りましょう。
試聴環境はAstell&Kern AK380 Copper直刺しとなります。
JH Audio
LOLA
総評 :
-
- 高域
- 4
-
- カスタマイズ性
- 5
-
- 音場
- 3
-
- 低域
- 3
-
- 中域
- 4.5
高域 :
High用のドライバを4つ搭載しているため解像度が高く、音量もよく出ていると思います。キラキラめな音の傾向ですが刺さるほど強くはないのでちょうどいいです。
中域 :
ボーカル帯域の押し出しがとても強いです。しかしながらべらぼうに強いわけでなく、表現力が高くきれいに鳴らしていると思います。また、ギターの音の表現力も高く、流石ダイナミックドライバを2基積んでいるだけのことはあります。この中域は一聴の価値ありです。
低域 :
アコースティックな少しゆるめの音を鳴らしてくれます。JH Audioのイヤホンの低域は緩めなイメージですがLOLAも例にもれずと言った感じです。この少しゆるめの音のおかげか生っぽい質感になっています。逆にドラムトリガーを使ったバスの音など立ち上がりが早い音は苦手ですね。量感については申し分なし。付属ケーブルのアジャスターにて左右の量を調整できるのもとてもいいです。
音場 :
結構せまめです。様々な音が密集している感じですが、解像度が高く個々の楽器の音を聞き取ることはできます。
総評 :
音質傾向は中音域が盛り上がっているカマボコ傾向。情報量が多く非常に重厚感のある濃厚なサウンドになっています。2基搭載したMid用ダイナミックドライバの恩恵か、ボーカルが力強く圧倒的な表現力です。イメージとしては、ダイナミックドライバ2基がメインになっており、それを補助する形でHigh, LowのBAドライバが鳴っている感じです。合計8基ものドライバを積んでいながら非常にまとまりがいいのは「FreqPhase」テクノロジーの力でしょうか。少しクセはありますが、声優アーティストの声を聴くのにおすすめなイヤホンだと感じました。
Good
- ギターやボーカルなど中域の音は最高
- ウォーム系のサウンド
- 解像度は高い
Bad
- 音場が狭い
- 全体的な音のバランスのクセがありすぎて曲を選ぶ (中域が強すぎる)
LOLAにおすすめのアニソン
この項目では、筆者がこのイヤホンに合うと感じたアニソンを紹介します。
LOLAのまとめ
このような人におすすめ
- とにかくボーカルをいい音で聴きたい方
- ギターロックが好きな方
- ウォームなサウンドが好きな方
桜庭ローラが好きな方
今回はJH Audio LOLAをレビューしました。製品の外観や付属品に関しては、カーボン製のフェイスプレートや金属製のケースなどとても高級感がありかっこよくまとまっていると思います。
音質の面では、ボーカルに特化した「声イヤホン」といった感じで、かなりクセが強く人を選ぶように感じます。決してこれ一本ですべての音源をカバーできる万能モデルではないです。しかしながら、相性のいい音源を聴いたときのハマり具合は異常で、上記であげた楽曲を聴いた際はとても感動しました。
個人的には筆者の大好きな「アイカツスターズ」の桜庭ローラと同じ名前なので、いつか彼女をモチーフにしたカスタムをオーダーしたいです。