コラム

Campfire Audio エントリーモデル3種比較 | BA型・DD型・ハイブリッド型それぞれのサウンド傾向とは

2022-05-22

Campfire Audio_ABS_モデル

こんにちは。なんこう(@nankochu_)です。

皆さんはCampfire Audioというオーディオメーカーをご存じですか?

Campfire Audioは米オレゴン州発のイヤホンメーカーです。高級ケーブルで有名なALO audioのCEOが2015年に創立しました。

コチラのメーカーの特徴はリキッドメタルやセラミックなど今までにない素材をイヤホンのハウジングに使用していることが挙げられます。

また、従来のイヤホン設計の常識を覆すようなネットワークレスの構造を採用していることも特徴であり、中でも2016年に発売された『Andromeda』は今現在でも愛されているロングヒット商品となりました。

今回はそのCampfire Audioより2021年に発売されたエントリーモデルを比較していきたいと思います。

3機種紹介しますが、どれもCampfire Audioのサウンドを感じる製品になっています。同社のイヤホンに興味のある方の参考になれば幸いです。

ちなみに以下にCampfire Audio公式のヒストリーページのリンクを貼っておきます。今までの製品を確認することが出来るので見ているだけで楽しいですよ。

モデル概要

今回はエントリーモデルとして1バランスドアーマチュアドライバの『SATSUMA』、1ダイナミックドライバの『HONEYDEW』、ハイブリッド型の『Onyx』を比較していきます。

コチラが3機種のスペックとなります。

SPECSATSUMAHONEYDEWOnyx
形状カナル型カナル型カナル型
ドライババランスド・アーマチュア型ダイナミック型ハイブリッド型
ドライバ構成フルレンジシングルドライバー10mm LCP振動板ダイナミック ×1
バランスド・アーマチュア ×1
周波数特性5 - 18,000Hz5 - 18,000Hz-
入力感度94dB94dB-
インピーダンス46.4Ω17.44Ω-
リケーブル対応
イヤホン端子MMCXMMCXMMCX
プラグ形状3.5mm ステレオミニプラグ3.5mm ステレオミニプラグ3.5 mm ステレオミニプラグ

『Onyx』のみ限定発売モデルということで詳細スペックが公開されていないため空欄となっています。

異なる点としてはドライバ構成のみです。付属品もすべて同じ。ケーブルも「Smoky Lite Litz Cable」と共通になっています。

SATSUMA

Campfire Audio

SATSUMA

  • 高域
    4
  • かわいさ
    5
  • 音場
    3.5
  • 低域
    3
  • 中域
    3.5
  • 解像感の高い中高音域
  • 1BA特有のつながりのいい音
  • かわいいデザイン🍊

SATSUMA』はフルレンジBA(バランスド・アーマチュア)1発のイヤホンになります。

THE・1BAといったようなサウンドで、中高域の解像度が高くキラキラしたような傾向になります。

一方、低域の迫力感や全体的なダイナミックレンジにかけており、若干のっぺりとした平面的なサウンドにもとれます。

持ち前の解像度の高さから各楽器の細部まで聴きとりたい場合や集中して音楽を聴きこみたいときなどに重宝できる一本だと思います。音を正確に出力してくれるので、楽曲制作などにも向いているのではないでしょうか。

HONEYDEW

Campfire Audio

HONEYDEW

  • 高域
    3
  • 🍈
    5
  • 音場
    3.5
  • 低域
    4.5
  • 中域
    4
  • 中低域メインのバランス
  • 角が丸く緩く優しいサウンド
  • かわいいデザイン🍈🍈🍈

HONEYDEW』はダイナミックドライバ1発構成のイヤホンにです。

サウンドの傾向としては、中低域が非常に豊かであるということ。ベースの音などを聴くとわかりやすいのですが、立ち上がりが緩めで、優しく温かい低域を出力してくれます。

またフルレンジのダイナミックドライバ1発ということで音のつながりが良く、全体域を通して聴いても違和感を感じることはないです。

一方、デメリットとして、解像度はあまり高くないことが挙げられます。『SATSUMA』と比較しても解像感はこちらの方が劣りますし、全体的に緩めな音の傾向から少しボヤボヤした印象もあります。

音の細部などを気にせずにリラックスして音楽を聴くときに使いたい一本です。普段使いするならこれが一番だと感じました。

Onyx

Campfire Audio

Onyx

Campfire Audio Onyx
  • 高域
    4
  • レア度
    5
  • 音場
    3
  • 低域
    4
  • 中域
    3
  • 立ち上がりが鋭いキレッキレのサウンド
  • 超ドンシャリ
  • EDMにピッタリ! 逆にアコースティック音源にはあわない

『Onyx』は高域用のBAドライバー1発と中低域用のダイナミックドライバ1発を組み合わせたハイブリッド型です。

全体的に立ち上がりが良くキレのいいサウンドを出してくれます。BAドライバのキラキラ感にダイナミックドライバの低域の迫力をプラスしたようなサウンドです。簡単にいえばドンシャリです。

ダイナミックドライバを搭載していますが、『HONEYDEW』のような優しくマイルドな低域ではなく、シャープで鋭い低域です。ツーバスの音や電子音などに相性がいいです。

クラブサウンドやEDMなど曲を選びますが、マッチする楽曲との組み合わせならば3機種の中で一番楽しいイヤホンだと感じます。

限定モデルです 公式サイトにて購入可能

まとめ

今回は、Campfire Audioのエントリーモデル3機種を比較させていただきました。

まとめとして上記3モデルに対して筆者の感想を簡単にまとめると以下になります。

  • SATSUMA : 王道1BAサウンド。解像度が高くきめの細かいキラキラした音。楽器の音を細部までに聴きこみたい方におすすめ
  • HONEYDEW : ゆったりした低重心の優しいサウンド。全体的につながりのいい音。リラックスしながら音楽鑑賞をしたい方におすすめ。
  • Onyx : キレのいいドンシャリサウンド。とにかくシャープ、鋭い音。EDMやクラブサウンドなど電子音を楽しく聴きたい方におすすめ。

また、それぞれのイヤホンは同社の各ハイエンドモデルにもつながるような音作りだと感じています。例えばハイブリッドモデルであるOnyxのシャープなドンシャリサウンドの傾向は同じハイブリッドモデルである『DORADO 2020』によく似ています。また、『HONEYDEW』少し緩めですがふくよかな低域のサウンドは『VEGA 2020』を彷彿とさせます。

このようにエントリーモデルといえどもCampfire Audioの音作りを感じられる製品群です。同社のイヤホンを社有したことがない方でとりあえず試してみたい方は、ぜひこの3機種から手に取っていただきたいです。

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なんこう

アイカツ楽曲をいい音で聴くためにオーディオ機器を収集している者です。
本業はメーカーで回路設計をしています。
ポータブルオーディオ系のレビュー・情報を中心に発信していきます。
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