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【レビュー】Cayin N3Pro | 真空管搭載!!! あったけぇ音…

2022-05-25

Cayin N3Pro

おすすめ度 :

こんにちは。「DAP」の買い替えを検討しているなんこう(@nankochu_)です。

皆さんは「DAP」というものをご存じですか? DAPとはDigital Audio Playerの略、つまるところ音楽再生をする機械です。iP〇dとかWalkm〇nとかのことですね。

音楽再生専用機ということで、DAPを使用することでスマホよりも高音質で音楽を聴くことができます。

さて、今回は中国のオーディオメーカCayinより真空管搭載のDAP『N3Pro』を借りてみたのでレビューしていこうと思います。

Cayin

N3Pro

  • サブミニチュア管「6148」を搭載
  • 旭化成のDACチップ『AK4493EQ』を2基採用
  • 3種の出力方式を選択可能(シングルエンドの場合のみ)
  • 超軽量&コンパクトボディ

Cayinは比較的老舗なオーディオメーカー。Cayinと言えば真空管アンプといえるぐらいに真空管製品を主力にしていましたが、近年ではDAPなどのポータブルオーディオ部門にも力を入れているようです。

個人的にCayinで思い浮かぶものと言えばDAPの旧N6とN8です。N6は一度見たら忘れられない超秀逸なデザインのDAPでした。あれのデザイナーはほんとに凄いと思います。一方N8はCayinのハイエンドDAPとして発売され、当時、真空管の「Nutube」を使用したDAPは珍しかったためとても印象に残っています。

さて、今回はそんな真空管に精通しているCayinよりビンテージ真空管「6148」を搭載した『N3Pro』をレビューしていきます。

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N3Proのスペック

『N3Pro』のスペックを確認していきましょう。

SPECN3Pro
サイズ [mm]115.2 × 63.5 × 18.9
重量 [g]195
ディスプレイ3.2インチ IPS液晶
DACチップAK4493EQ ×2
CPUXburst 1.0GHz
再生可能形式最大 768kHz/32bit PCM
22.4MHz DSD
内蔵ストレージ-
拡張性MicroSD
バッテリー容量4100mAh
最大連続再生時間Vacuum Tube 9H
Solid State 11H
Balanced 9H
Wi-Fi 周波数帯IEEE802.11.2, 2.4GHz
Bluetooth バージョンVer. 5.0

一番の特徴はサブミニチュア管の「6418」を2基搭載していること。最近では「Nutube」と呼ばれる新型真空管を搭載するDAPは増えてきましたが、「6148」のようなビンテージ真空管を搭載しているのは珍しいです。まぁビンテージ真空管なんて書いておりますけれども普通に安い真空管ですよ。

もちろん真空管モードとソリッドステートモード(真空管を使わないトランジスタのモード)は任意で切り替えが可能。さらに真空管モード時には2つの動作モード「トライオードモード」「ウルトラリニアモード」が選択可能。あわせて3種類の音色を楽しむことが出来ます。

真空管モードはシングル出力の場合のみ選択可能です。バランス接続の場合は使用できません。

その他にDACチップには旭化成の「AK4493EQ」を2基搭載しているところが素晴らしいですね。個人的に旭化成DACが好きなので加点ポイントです。

N3Proのパッケージ&付属品

パッケージ

『N3Pro』のパッケージをチェックしていきましょう。

外箱はシンプルです。本体の外観が印字されています。

N3 Pro パッケージ

ケースを外すとこのような箱が。箱の中には本体が格納されています。

付属品

N3 Pro付属品

付属品

  • USB-Type C ケーブル
  • 専用保護ケース
  • 液晶保護フィルム
  • マニュアル

付属品は必要最小限のものになっています。シンプルでいいですね。

データ通信用のUSB-Type C ケーブルが付属しています。

付属USBケーブル

N3Proの本体レビュー

外観をチェックしていきましょう。

一見スマホのような見た目ですが、画面は上半分ぐらいでとても小さいです。

本体下部分は真空管が格納されているので、下に伸びた形になっているのですね。

N3Pro前

裏面はメーカーロゴと製品名が印字されています。ゴールドで高級感がありますね。

N3Pro後

本体下部には各種インターフェース類が。左から、USB Type Cポート・3.5mmラインアウト・3.5mmシングル出力・4.4mmバランス出力となります。

ラインアウトに間違えて挿してしまいそうでちょっと怖いですね。

N3Pro下

右サイドには金色のボタン類が。左から曲戻し・一時停止/再生・曲送り・電源兼ボリュームノブとなります。ボリュームノブはやや軽めなので注意が必要です。

左サイドはmicroSDカードスロットがあります。microSDは最大1TBまで使用可能です。

ちなみにN3Proには内部ストレージは存在しないので注意が必要です。

N3Proの操作性

続いて使用感についてのレビューです。

「N3Pro」は独自OSを内蔵。超絶シンプルなので誰でもすぐに使いこなせます。

電源入れて直ぐのホーム?画面はこのような感じ。各項目でソートしていって楽曲を選択する感じですね。

N3Proホーム画面

アルバム表示が以下となります。アルバムアートとアルバム名が表示されますね。

シンプルでとても分かりやすいのですが、動作のもっさり感が気になりました。アルバムをスクロールした後にアルバムアートの読み込みに数秒かかり表示されないところが一番の難点。(写真2枚目参考)

筆者はアイマス楽曲をよく聞くのですが、アイマスのアルバムは「THE IDOLM@STER ~」で始まるものが多く、アルバムアートがわからないと判別不可能なものが多くて地獄でしたね…

再生画面はこのような感じ。

めっちゃシンプルです。操作に迷うこともないでしょう。

N3Pro再生画面

画面上部から下にスワイプするとAndroidのようにメニュー項目が表示されます。ここでゲインの調整や再生モードの切り替えを行います。

画面上左から2番目の「トランジスタト…」をタップすれば「チューブ出力」に変化し、真空管モードにすることができます。

また、さらにもう一つ右横の「Ultraliner」の項目をタップすることで、真空管モードの中での二つのモード「ウルトラリニアモード」、「トライオードモード」を切り替え可能

真空管モードにすると本体下部にうっすらオレンジ色の発光が。まさに真空管といった感じ。

下の緑色に光っている部分は再生しているサンプリングレートによって色が変わります。また、ホームボタンも兼ねており、タップすることで再生画面までいっきに飛ぶことができます。

オレンジ高圧縮データ
イエロー44.1kHz / 48kHz
グリーン88.2kHz / 96lHz
ブルー352.8KHz / 348kHz / 705.6kHz / 768kHz
パープルDSD64 / DSD128 /DSD256 / DSD512
ホワイトDSD64 / DSD128 / DSD256
レッド充電中
N3Pro真空管窓

総じて、操作性に関して独自OSを採用していますがシンプルな構成なのでわかりやすさという点では優秀です。

一方、動作の遅さはほんとにストレスを感じました。普段使いには厳しいというのが私の正直な感想です。

N3Proの音質レビュー

つづいて音質レビューに入りましょう。

使用イヤホンは筆者が普段使用している「Campfire audio VEGA」です。

N3Proとイヤホン

ソリッドステートモードと真空管モード(「トライオードモード」「ウルトラリニアモード」)の3種類を試したいため、今回はシングル出力メインで試聴しました。

  • ソリッドステートモード

一聴して低域がかなり太くゆったりとなっていることが気になりました。キレのいい感じではなく、悪く言えばボヤボヤしている音です。このように書くとネガティブな印象を与えてしまいますが、迫力感のある音なので筆者は結構好きですよ。

中高域は結構キッチリと鳴らしてくれている印象。透明感もあり心地いいですね。(なんで低域だけ主張が激しいんや?)

その他、解像感や空間表現は価格なりといった感じです。超高解像かと聞かれればNOですが、6万円という価格を考えれば全く問題のないレベルです。

  • 真空管モード「ウルトラリニアモード」

ウルトラリニアモードにすると、全体域の音が太くなる印象。もともと低域は太めのサウンドだったのでそれをより強化しつつ、中高域もあわせて太くなっているので、全体のバランスはとても良くなりました。グー。

欠点として、ダイナミックレンジが犠牲になっているというか、音の圧が常に強くメリハリがないようなサウンドになっていますね。

しかしながら筆者はこのような音が大好き!!! 音の圧をぶち込んでくる感覚いいじゃないですか。3種のモードの中ではこの「ウルトラリニアモード」が一番好みでした。

仕事でストレスが溜まったときに無心で聴きたいサウンド。

  • 真空管モード「トライオードモード」

トライオードモードですが、ソリッドステートモードから低域を細くして、中高域の響きを強化したようなサウンドに感じます。今まで、音の圧で圧倒していた感じでしたが一転して音の余韻で攻めてきた感じ。弦楽器系が非常に綺麗に聴こえます。

一方、低域を細くしたためか、かなりスッキリとしたサウンドになっていて、初見では、楽器の数が減ったのかなと感じられるほど。個人的にはやせすぎていて好みには合いませんでした。

以上、3種のモードにて試聴を行いましたが、どれか一つが突出して優れているわけではなく三者三葉なサウンドでした。楽曲に合わせて使い分けると『N3Pro』の持つポテンシャルを引き出せると思います。

ちなみにバランス出力はソリッドステートモードの音の横の分離感を良くした印象でした。もともと低域が太く強めなサウンドなので、バランスにしてゆとりを持った方向性にしてあげた方が聴きやすかったです。

N3Proのまとめ

今回はCayinよりビンテージ真空管を搭載した『N3Pro』をレビューしました。

真空管とトランジスタを使い分けて3種のサウンドを楽しめる点は非常に面白いギミックだと感じますし、個人的には「ウルトラリニアモード」のサウンドが大好物でしたので、音質面に関しては6万円の価値はありました。

問題はインターフェースよインターフェース!! Android OSを搭載していないことは個人的に全く原点対象にはならないのですが、独自OSを乗せるならもっとキビキビ動いてくれ!!! アルバム選択の時にアルバムアートは表示されんし、アルバム名はほとんどすべて「THE IDOLM@STER ~」でマジで絶望しました。

音は素晴らしいし、真空管搭載という唯一無二の個性を持っていますので、インターフェースに目をつぶれる人はぜひ試してみて下さい。

全曲シャッフル専用機にすれば結構いいかも…

  • この記事を書いた人

なんこう

アイカツ楽曲をいい音で聴くためにオーディオ機器を収集している者です。
本業はメーカーで回路設計をしています。
ポータブルオーディオ系のレビュー・情報を中心に発信していきます。
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