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【レビュー】iBasso Audio DX240 & AMP8 MK2 | アンプモジュール交換可能な軽量DAP

2022-05-04

DX240の画像

おすすめ度 :

こんにちは。DAPの買い替えを検討しているなんこう(@nankochu_)です。

皆さんは「DAP」を使用していますか? DAPとはDigital Audio Playerの略で、つまるところ音楽再生専用機です。DAPを使うことで音楽を高音質で楽しむことができるのです。

さて、今回は音響機器の販売代理店であるMUSIN様の公式レンタルサービスよりiBasso Audioの『DX240』を借りてみたのでレビューしていこうと思います。

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iBasso Audio

DX240

  • アンプモジュール採用 好みの音質にカスタマイズ可
  • フラグシップDACチップ『ES9038Pro』を搭載
  • Android搭載 安定の操作性
  • 音楽再生専用OSも搭載しており高ノイズ耐性

iBasso と言えば筆者的には高級DAP黎明期に生み出されたAndroid OS搭載DAP『HDP-R10 (DX100)』の印象がとても強く、懐かしく感じますね。あの頃はAndroid自体がそもそも発展途上ということもあり、お世辞にも使い勝手が良かったとは言えない製品でした。音は良かったんだけどね。

それから月日は流れ、エントリーモデルとしてコスパ最強な『DX160』やアンプモジュール交換式のDAPの『DX200』や『DX220』など数多くのDAPを産出してくれました。

今回の『DX240』はそんなiBasso社の最新DAPとなります。製品ラインナップの位置づけとしてはミドルクラスの製品です。もちろんアンプモジュール交換対応。ガジェット好きな筆者的にもモジュール交換式はロマンがあり非常に心をくすぐられます。

それではiBasso社の最新DAP『DX240』をチェックしていきましょう。

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DX240のスペック

『DX240』のスペックを確認していきましょう。

SPECDX240
サイズ [mm]124 × 71.5 × 19.4
重量 [g]205
ディスプレイ5インチ 1920 x 1080 画素 IPS液晶
OSデュアルOS
Android 9.0 / Mango OS
DACチップES9038PRO
CPUQualcomm Snapdragon660
内蔵メモリ4GB
対応フォーマットMQA、APE、FLAC、WAV、WMA、ACC
ALAC、AIFF、OGG、MP3、DFF、DSF
DXD、DST(CUE)、ISO、M3U、M3U8
再生可能形式最大 768kHz/32bit PCM
22.4MHz DSD
内蔵ストレージ64GB
拡張性MicroSD
バッテリー容量4400mAh
最大連続再生時間約 11時間
Wi-Fi 周波数帯802.11 b/g/n/ac (2.4Ghz/5Ghz)
Bluetooth バージョンVer. 5.0
対応コーデック送信のみ:LDAC、aptX
送受信:AAC、SBC

DX240はAndroid OSと独自のMango OSのデュアル使用。Mango OSは音楽再生専用となっており、Androidでの動作よりもノイズが抑えられています。

DACチップにはハイエンドチップの「ES9038PRO」を採用。

その他、対応フォーマットやBluetooth規格などは標準的なので問題なさそうです。

そして最大の特徴はアンプ部分が別モジュールになっていること。別売りのアンプモジュールに付け替えることで、異なる音に変更可能です!!!

さてそのようにアンプモジュール交換式の『DX240』ですが、デフォルトで付属しているアンプモジュールの『AMP1 MK3』のスペックも確認していきましょう。

SPECAMP1 MK3
出力ポート3.5mmステレオ出力
2.5mmバランス出力
3.5mmライン出力
3.5mmステレオ出力
最大出力電圧3.1Vrms
最大出力レベル281mW @32Ω
32mW @300Ω
周波数特性10Hz~45kHz +/-0.1dB
S/N 比123dB
ダイナミックレンジ123dB
THD+N-110dB (1.8Vrms, 無負荷時)
-109dB (1.8Vrms, 32Ω 負荷時)
クロストーク-117dB
出力インピーダンス 0.38Ω
2.5mmバランス出力
最大出力電圧6.2Vrms
最大出力レベル878mW @32Ω
128mW @300Ω
周波数特性10Hz~45kHz +/-0.1dB
S/N 比125dB
ダイナミックレンジ125dB
THD+N-114dB (3Vrms, 無負荷時)
-114dB (3Vrms, 32Ω 負荷時)
クロストーク-119dB
出力インピーダンス 0.57Ω
3.5mmライン出力
最大出力電圧3Vrms
周波数特性10Hz~45kHz +/-0.1dB
S/N 比122dB
ダイナミックレンジ122dB
THD+N-110dB (1.8Vrms, 無負荷時)
クロストーク-116dB

DX240のパッケージ&付属品

パッケージ

iBasso DX240のパッケージ

パッケージはシボ加工されていたりと高級感がありますが最近のDAPでは標準的な内容かと。

iBasso DX240のパッケージ(中箱)

付属品

iBasso DX240の付属品一覧

付属品

  • USB-Type C ケーブル
  • 同軸デジタルケーブル
  • バランス・バーンインケーブル
  • TPU ケース
  • スクリーンプロテクター
  • クイックスタートガイド
  • 保証書

iBasso DX240に付属の同軸デジタルケーブル

DX240の本体レビュー

外観をチェックしていきましょう。

ボディの材質はアルミニウム製なので非常に軽いです。

ディスプレイは5inchなので十分な大きさですね。

iBasso DX240の本体写真(前)

背面はすりガラスのような透明度が低い感じの処理がなされています。また、ラウンドしているのでとても持ちやすいですね。

iBasso DX240の本体写真(後)

続いてサイドビュー。右側にはボリュームダイヤル兼電源ボタンを搭載。金色がアクセントになっていてオシャレです。ボリュームダイヤルは硬すぎず軽すぎずちょうどいいですね。誤っていっぱい回してしますことはなさそうです。

ダイヤルの横には右から送り・再生/停止・戻りのボタンがついています。わかりやすくていいです。

iBasso DX240の本体写真(右)

左側面にはmicro SDカードスロットがあります。内蔵ストレージが64GBと少し心許ないのでmicro SDカードは必須でしょう。

iBasso DX240の本体写真(左)

続いて上部の確認です。上部には充電およびデータ通信用のUSB Type Cコネクタと3.5mm 同軸出力端子が搭載。上にUSBがついているのは珍しいですね。データ転送の際に少し違和感を感じました。

iBasso DX240の本体写真(上)

最後に『DX240』の目玉部分、下部のアンプモジュールをチェックです。両サイドのネジを外すことによってアンプモジュールを取り換えることが可能。

標準では『AMP1 MK3』というモジュールが付属しており、こちらの出力系統は3.5mm ステレオ / 2.5mm バランス / 3.5mm ライン出力となっています。

4.4mmバランス出力を使用したい人は別途モジュールの購入が必要です。

iBasso DX240の本体写真(下)

モジュール交換はこんなかんじ。めっちゃカッコよくね!? 男心をくすぐられます。

電源を入れるとこのような感じ。普通のAndroidですね。

iBasso DX240 電源オン状態

DX240の使用感

全体 (Android)

全体の使用感はOSがAndroidということもあり、使いやすいです。

SoCも「Snapdragon 660」なのでストレスを感じることなくサクサクと動きます。

動作中の発熱もあまり感じないので安心ですね。

iBasso DX240のホーム画面

純正アプリ

『DX240』にはiBasso社純正のミュージックプレイヤーアプリがインストールされています。

アルバムやアーティスト、ジャンルなどで楽曲をサーチ可能です。ここら辺は普通ですね。

アルバムアートは2×3で6枚ずつ表示なのは残念ポイント。一覧性が低く楽曲を探しにくいです。

iBasso DX240のミュージックアプリ画面

再生画面はこんなかんじ。アルバムアートはもちろんのこと楽曲フォーマットやビットレートなど詳細情報も表示されており十分です。

(それにしてもノクチルのこのアートは最高すぎますね。)

iBasso DX240のミュージックアプリ再生画面

再生画面右上の歯車⚙マークをタップすることでメニューが開きます。

ゲインやイコライザ、デジタルフィルタの変更ができます。

iBasso DX240のミュージックアプリ設定画面

デジタルフィルターの内容はコチラ。

正直違いがあまりわかりませんでした。多少変化はありましたがどれでもいいかなって感じ。

iBasso DX240のミュージックアプリフィルタ設定画面

その他アプリケーション

Android OSなのでその他のアプリケーションもインストール可能です。

標準で「google Playストア」がインストールされているのでそこからお気に入りのアプリをインストールしましょう。

iBasso DX240のホーム画面2
  • Youtube

問題なく動作可能です。1080pでの再生もまったく不具合ありませんでした。

  • Amazon Prime Video

プライムビデオも問題なく再生できました。いい音でお気に入りのアニメを見れるのは良いですね。

以上二つのアプリをチェックしましたが、動画配信サイト系は問題ないでしょう。これらよりも負荷の軽い音楽サブスク系も動くと思います。

確認するまでもないですが、ゲームでの使用はおすすめしません。まともに動かないと思います。

Mango OS

音楽再生専用OSです。こちらに切り替えるとAndroidの動作は完全に停止し、余計な通信等もしなくなるのでノイズフロアが下がるそうです。

メニューの構成等はAndroidの標準プレイヤーと同一。ただし動作がキビキビになりました。

気になる点としては、「アルバム選択のスクロールが早すぎて使いづらいところ」「楽曲のアーティスト名がアルバムアーティストで表示される」ところがあります。特に二つ目は最悪でコンピレーションアルバムなど複数のアーティストの楽曲が収録されてるアルバムなどは誰の曲かわからなくなります。ここは個人的にも致命的なところですね…

DX240の音質レビュー

つづいて音質レビューに入りましょう。

使用イヤホンは「Campfire audio VEGA」です。

iBasso DX240とイヤホン

こちらのレビューはデフォルトで搭載されているアンプモジュール「AMP1 MK3」のものになります。

一聴して全体域を平均的に鳴らすバランスのいい音と感じました。低域を盛るだとか、高域の響きを重視するとかはあまりなく、それぞれを均等に鳴らしています。ニュートラルな音といった感想

解像感や音場もいい方でよく分離され広く聞こえますね。

正直『AMP1 MK3』を聴いた際の印象ってこれくらいで、悪くいってしまえば特徴がなく面白味のない音だなっていう感想です。解像感も高めですが、同価格帯ではより高い解像度のものもあるのでイマイチ。

デフォルトで付属するアンプモジュールなので『DX240』の真髄は他のモジュールに変えたときにあるんだと思います。

AMP8 MK2のレビュー

続いてDX240用のアンプモジュール『AMP8 MK2』も一緒にお借りしたのでレビューします。

『AMP8 MK2』の特徴はAB級のディスクリートアンプ!!めちゃめちゃ期待が高まりますね。

AMP8 MK2の本体画像

スペック

改めて『AMP8 MK2』のスペックを確認します。

SPECAMP8 MK2AMP1 MK3
出力ポート3.5mmステレオ出力
4.4mmバランス出力
3.5mmステレオ出力
2.5mmバランス出力
3.5mmライン出力
3.5mmステレオ出力3.5mmステレオ出力
最大出力電圧3.1Vrms3.1Vrms
最大出力レベル281mW @32Ω
32mW @300Ω
281mW @32Ω
32mW @300Ω
周波数特性10Hz~45kHz (+/-0.3dB)10Hz~45kHz +/-0.1dB
S/N 比122dB123dB
ダイナミックレンジ122dB123dB
THD+N-110dB (No load)
-109dB (300Ω load)
-98dB (32Ω load)
-110dB (1.8Vrms, 無負荷時)
-109dB (1.8Vrms, 32Ω 負荷時)
クロストーク-117dB-117dB
出力インピーダンス 0.32Ω0.38Ω
4.4mmバランス出力
最大出力電圧6.2Vrms
最大出力レベル980mW @32Ω
128mW @300Ω
周波数特性10Hz~45kHz (+/-0.3dB)
S/N 比125dB
ダイナミックレンジ125dB
THD+N-114dB (No load)
-113dB (300Ω load)
-101dB (32Ω load)
クロストーク-122dB
出力インピーダンス 0.55Ω

特徴としては4.4mm バランス出力に対応していること。ディスクリート構成になっていることでしょうか。

パッケージ & 付属品

パッケージはコチラ。

アンプモジュールと交換用のドライバーがついていてとてもシンプルです。

本体

本体をチェックしていきます。

出力ポートは3.5mm ステレオミニと4.4mm バランスのみ。シンプルでいいですね。2.4mm バランスを使用したい方は変換コネクタを使ってください。

AMP8MK2本体

回路部分はこのようなかんじ。コンデンサの主張が激しい!!(部品の配置が無理やり詰め込んだ感があって不安になります。コンデンサのリードとか大丈夫なんか?)

音質レビュー

『AMP8 MK2』の音質を確認していきます。使用イヤホンは「Campfire Audio VEGA」です。

iBasso DX240とイヤホン2

一聴して『AMP1 MK3』よりも中低域の厚みが増していることがわかります。暖色系でよりブーミーな音色に仕上がっています。

顕著に違いが判る個所としてはドラムのタムの音やバスドラの音があげられます。特にタムの音は、ほかの帯域に打ち消されていたのですが、『AMP8 Mk2』ではカラッと聴きとりやすく主張してくれます。

一方、音場や解像感は『AMP1 MK3』よりも劣っており、こちらはギュッと狭く密度の高い音を出力してくれている印象です。

筆者個人的な印象では上記のようなデメリットを含めても『AMP8 MK2』の方が好みだと感じました。全体的に解像感等は劣ってしまいますが音楽を楽しく聴くという点では『AMP8 MK2』のアナログ感のある音の方がいいと感じたからです。

まとめ

GOOD

  • 交換式アンプモジュール採用で拡張性が高い
  • ミドルクラスのSoCを搭載しており動作はサクサク
  • コンパクト&軽量で扱いやすい

BAD

  • 『AMP1 MK3』では音質はイマイチ
  • Mango OS時の表示が使いづらい

今回は「iBasso DX240」をレビューしました。

アンプモジュール交換式ということで、自分好みにカスタマイズできることや、気分によって音を変えられるのは非常に楽しいと感じました。ガジェット感があって男心がくすぐられましたね。

音質面では、付属の『AMP1 MK3』ではとてもニュートラルな印象でした。個人的には少し面白味がなかったかな。一方、別売りの『AMP8 MK2』は中低域がブーミーでアナログ感があり、とても楽しい音だと感じました。個人的には『AMP8 MK2』は大いにおすすめできる音です。

今現在、アンプモジュールはこの2種類だけなのが残念なところ。今後の拡張に期待ですね。

DAPをガジェットとしても楽しみたい方にはおすすめです。

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  • この記事を書いた人

なんこう

アイカツ楽曲をいい音で聴くためにオーディオ機器を収集している者です。
本業はメーカーで回路設計をしています。
ポータブルオーディオ系のレビュー・情報を中心に発信していきます。
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