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こんにちは。なんこう(@nankochu_)です。
今回は、アメリカ オレゴン州に拠点を置く「FiR Audio」より5ドライバ搭載の『VxV (FIVE x FIVE)』を紹介します。「FiR Audio」は2018年に設立された新興イヤホンメーカーです。なんとあの64 Audio の設立者が新たに立ち上げたメーカーなんだとか。
「FiR Audio」といえば、2022年まで「final」が代理店を務めており、『Xenon 6』『Krypton 5』『Neon 4』といった超弩級価格のイヤホンを取り扱っていたことは記憶に新しいと思います。その中で今回レビューする『VxV』は「FiR Audio」のエントリー機といったポジションのイヤホンです。(価格は全くエントリーではありませんが…)
残念ながら現在では日本市場から撤退していますが、この可愛らしい見た目や以前試聴した際に音に惚れたこともあり、今回は「FiR Audio」公式Storeより直接購入してみました。サイトは英語ですが住所とか入力すれば普通に買えるので興味ある方は直接購入を試してみてください。
FiR Audio
VxV
-
- 高域
- 4
-
- 可愛さ
- 5
-
- 音場
- 4
-
- 低域
- 4.5
-
- 中域
- 4.5
- パワフルな中低域
- ザ・ドンシャリサウンド
- ATOM Vent Systemによる広い音場
VxVのスペック
SPEC | VxV |
---|---|
形状 | カナル型 |
ドライバ | ハイブリッド型 |
ドライバ構成 | ダイナミック ×1 Mid ×2 High ×1 Ultra High ×1 |
周波数特性 | 20 - 20,000Hz |
入力感度 | - |
インピーダンス | 24Ω |
リケーブル対応 | 〇 |
イヤホン端子 | MMCX |
プラグ形状 | 2.5mm 4極 or 3.5mm ステレオミニ |
『VxV』はBAドライバ4つとダイナミックドライバ1つの計5つのドライバを搭載したハイブリッドモデルです。(ドライバ数が5つだから"FIVE" x "FIVE" なのねってこの記事を書いている時に気がつきました。)
ちなみにケーブルについてですが3.5mmステレオミニプラグと2.5mm バランスの選択が可能です。筆者は2.5mmをほとんど使用しないので3.5mmにしました。(4.4mmも選択肢に入れてくれ)
そのほかに以下に記載する「FiR Audio」の独自機能が搭載されています。
第2の鼓膜と呼ばれる「ATOM Vent System」を搭載。このシステムによりドライバからの圧力を外に逃すことができ、鼓膜にかかる過度な圧力を調整することができます。
「64 Audio」のイヤホンに搭載される「APEX」や「ADEL」の親戚ですね。ユニバーサル版の『VxV』ではモジュール内蔵式ですが、カスタム版ではオプションでモジュール取り外し式にすることもできます。
ダイナミックドライバの背面を筐体に接するように取り付ける「Tactile Bass」機構も搭載。音をイヤホンの筐体全域に響かせれらるようになるそうです。
「DAA Sound Reactor」という機構も取り入れています。一般的にBAドライバには音導管という音を耳元まで運ぶチューブを繋げますが『VxV』では、このチューブを取り払っています。
VxVのパッケージ&付属品
パッケージ
FiR Audio社のマスコットキャラクター「フィリー」ちゃんの描かれた可愛らしい箱に梱包されております。
一応高級機の類の値段なのですが、段ボール一枚という簡素な作りで驚きです。イヤホンのデザイン通りカジュアルなのを意識しているのでしょうか。ま、化粧箱だけ無題に高級にされるよりはいいと思います。
こういうのでいいんだよ、こういうので
付属品
付属品
- イヤーピース (シリコン S,M,L、 ウレタンフォーム、 ダブルフランジ)
- ケース
- ステッカー 2種
VxVの本体レビュー
本体
本体チェックです。
デザインは白と黒。それぞれのフェイスプレートには「FiR Audio」のロゴとマスコットキャラクターの「フィリー」ちゃんが描かれています。一応10万円台の高級イヤホンなのですが、このカジュアルな風貌に非常に心惹かれました。
材質について、筐体は6000番台のアルミニウムを切削して作られています。詳しくは分かりませんが6000番台は腐食に強いらしい。フェイスプレートには「DuPonta」社のプラスチックでできているとのこと。全く分かりませんが、色々こだわっているということでしょう。
背面・側面はこちら。
ノズル先端には金属メッシュのガードが付いています。
コネクタはMMCXコネクタ。カスタム版ではRCXというMMCXを四角くした独自コネクタが選択できます。互換性はだいぶ低くなりますが、MMCXコネクタ特有のコネクタの回転がなくなりますので、個人的にはユニバーサル版もRCXコネクタの方が良かったかなと。
装着感
装着感は普通ですね。可もなく不可もなく。やや筐体に重みがあるのでイヤピやケーブルでしっかり固定しましょう。
「64 Audio」のイヤホンをお持ちの方は大体形が似ているのでそれと同じような装着かんとイメージしていただければいいと思います。さすが親戚のメーカーだけありますね
VxVの音質レビュー
続いて音質レビューに入りましょう。
DAPはHiFiMAN HM901R直刺しとなります。
FiR Audio
VxV
総評 :
-
- 高域
- 4
-
- 可愛さ
- 5
-
- 音場
- 4
-
- 低域
- 4.5
-
- 中域
- 4.5
総評 :
個人的こんなイヤホンが欲しかったNo.1のサウンドです。迫力満点の低域で土台を硬め、艶やかなボーカル帯域があり、決して控えめではないが刺さりすぎもしない高域がある。そしてそれらの帯域が自然な繋がりを持って出力されている。とても満足感の高いサウンドでした。
また、全体的に開放感やクリアさが非常に高いと感じております。迫力満点のドンシャリサウンドですが、全体的な見晴らしが良くそれも相まってか不思議と聴き疲れしないんですよね。ずっと聴いていたいサウンドです。この開放感は「64 Audio」のイヤホンでもよく感じるものであり、「APEX」と似たような機構である「ATOM Vent System」が一役かっているのかなと思います。
音の傾向からも分かるとおり、なんでも万能にこなすような器用なイヤホンではありません。10万Overのイヤホンと考えると結構尖ったサウンドに感じますが、刺さる人には刺さるサウンドでしょう。ソニー系の音に近いかなって感じです。現に筆者にはかなりお気に入りな一本になりました。
高域 :
Ultra Highドライバを搭載しているためか非常にシャープ&タイトな高域になっています。しかしながら、全く刺さりを感じず、聴いていても全然疲れを感じないところがチューニングの旨さを物語っていると感じました。このシャープな高域が全体の音のバランスを調整している印象で、これよりも音が太かったり、強かった場合に一気に迫力だけの陳腐なサウンドになっていたと思います。
中域 :
かなりボーカルに寄った中域ですね。そして低域に引っ張られているのかやや重心が低めな感じがします。女性ボーカルものよりも男性ボーカルの方が相性が良さそうです。また、開放感のあるこのイヤホンですが中域のみ結構音場が真ん中にどっしり位置ずいている感覚があります。
低域 :
低域はパワフルでかなりの量感が出ていると感じます。重心が低くバスドラムの音がとても心地いいです。どちらかというと音の輪郭はわずかに丸め。はちゃめちゃにシャープでキレッキレな音というわけではないので打ち込み系よりもバンドものなどの生音系が良いでしょう。シルバー系のケーブルにリケーブルしてシャープさを上げるのも面白そうです。
音場 :
音場は横に広いというよりも縦にも広がる立体感のある音です。3Dって感じ。「64 Audio」系列のイヤホンにかなり近い印象です。「ATOM Vent System」とチューブレスな機構によるものでしょうか。
Good
- 迫力満点なドンシャリサウンド
- シャープでタイトだが聴き疲れしない高域
- 広い音場
Bad
- とはいえドンシャリなので人を選ぶ
VxVにオススメのアニソン
この項目では、筆者がこのイヤホンに合うと感じたアニソンを紹介します。
VxVのまとめ
このような人におすすめ
- ドンシャリ大好きマン
- 他にはない個性的なイヤホンをお探しの方
- ソニー系の音が好きな方
今回は「FiR Audio」より『VxV』のレビューをしました。久しぶりに買って大満足なイヤホンでしたね。ドンシャリ好きな方にはほんとに聴いていただきたい一本です。
一点残念なところは「FiR Audio」が日本から撤退しているところ!!! まじで帰ってきてくれよ…