おすすめ度 :
(BTレシーバーとしてなら )
こんにちは。「DAP」の買い替えを検討しているなんこう(@nankochu_)です。
今回はオーディオメーカー「HIFIMAN」より珍しいチップを搭載しているDAP『R2R2000 (RED)』を紹介します。
HIFIMAN
R2R2000 (RED)
- バーブラウン社のR-2RDACチップ『PCM1702』を2基搭載
- 超軽量&コンパクトボディ
- アタック感の強いハッキリとした元気サウンド
- 音は良いが操作性は最悪レベル
HIFIMANは2007年に設立されたオーディオメーカーです。「HM-801」や「HM-601」、「HM-901」など高音質のオーディオプレイヤー事業にいち早く取り組んでいた印象があります。また、昔からHIFIMANの製品は音は良いが操作性が悪いと言われていた印象で(特にHM-901)、今回のR2R2000も初めて見たときは明らかに操作性の悪い見た目にわずかながら安心感を覚えました。
個人的には、超クセ強メーカーですが、音作りには手を抜かない印象。今回も『PCM1702』といった珍しいDACチップを採用していたりと、音に関するこだわりを感じることができます。
それでは、実際にどのような製品に仕上がっているのか確認していきましょう。
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R2R2000 (RED)のスペック
R2R2000 (RED)のスペックは以下になります。
SPEC | R2R2000 (RED) |
---|---|
サイズ [mm] | 97.4 × 56 × 18.8(MAX) |
重量 [g] | 142 |
DACチップ | PCM1702 ×2 |
対応フォーマット | FLAC、DSD、mp3、Wav、ALAC、AAC |
拡張性 | microSD (256GBまで) |
最大連続再生時間 | 約8時間 |
周波数特性 | 20 - 40,000kHz |
THD | 0.0006% |
S/N比 | 115±3dB |
出力端子 | 4.4mm バランス 3.5mm シングル |
特徴はバーブラウン社の「PCM1702」という珍しいDACチップを2基搭載しているところ。一般的なDACチップは「ΔΣ型」という変換方式でデジタルデータをアナログに変換していますが、この「PCM1702」は「マルチビット型(R-2Rラダー)」という方式でデータを変換しています。
専門的な話になってしまうため割愛しますが、R-2Rとは抵抗分圧によって変換する仕組みで、動作自体はとってもアナログ的です。まぁ動作なんてものはどうでもよくて、この方式だと音質にどのような影響があるのかというところが一番大事かなと思います。
R2R2000 (RED)のパッケージ&付属品
パッケージ
『R2R2000 (RED)』のパッケージを確認していきましょう
めちゃめちゃ豪華なハードケースに入っています。メタルプレートには「HIFIMAN」ロゴと『R2R2000』の品名が刻印されていて高級感があります。
ちなみに今回レビューする『R2R2000 (RED)』のほかに上位機の『R2R2000』(ボディが黒くDACチップがPCM1704のもの)もあるのですが、箱では区別がつきませんね。
開けると本体が格納されています。箱のサイズミスっとるやろ
付属品
付属品
- USB Type Cケーブル
- Type C OTGケーブル
付属品はUSBケーブルのみ。
超豪華なケースから最小限の付属品です。潔くていいんじゃないでしょうか。
R2R2000 (RED)の本体レビュー
裏面はメーカーロゴと製品名が印字されています。ゴールドで高級感がありますね。
筐体はとても小さいです。比較としてカードを横に置いてみましたが、ほぼ同じくらいのサイズです。横幅はカードよりもやや細く、縦はやや長いです。
続いて本体上部と下部の確認です。
上部には4.4mm バランス接続用と3.5mm シングル接続用のジャックがあります。黒いダイヤルがボリュームダイヤルとなっています。操作感は1クリックがしっかりしつつ、硬すぎないため音量調整はしやすいです。
下部はUSB Type C 端子のみ。こちらは充電やデータ通信に使用します。
本体サイドを確認していきます。
右側の黒いボタンは電源ボタンです。長押しすることで電源をON/OFFすることが出来ます。
左側にはmicroSDカードスロットがあります。ピンロック式になっており、針なの度細い棒で刺すことでカードスロットを取り出すことが出来ます。
R2R2000 (RED)の操作性
続いてR2R2000の操作性を確認していきます。最初に申しておきますが、操作性はスペシャルに悪いです。
ホーム画面は以下の通り。6つの項目から画面下のタッチキーを使用して選択していきます。
左上から戻る・上・決定・ホーム・下・音楽設定
例えばメモリーカードの項目を選択していけば「フォルダー」「アーティスト」等表示されている階層に入り、そこから聴きたい曲をソートしていく感じです。ちなみに画面上には最大6行の情報しか表示されないため、アルバムや楽曲の選択にはてこずります。さらにタッチキーは長押し対応していないため、上下のタッチキーを連打しなければならず、さらに操作性の悪さを助長しています。
ちなみに楽曲まで階層を下げると、タグ情報ではなくファイル名で楽曲が羅列されます。タグだけで楽曲管理をしていた場合はマジでわからなくなります。
再生画面はコチラ。もちろんアートワークなどは表示されるわけがありません。上からファイル名、アーティスト名(タグ情報)、アルバム名(タグ情報)が表示されています。こちらも普通に考えれば楽曲名を表示するであろう場所がファイル名表示になっているので若干わかりにくいです。アーティスト名やアルバム名などタグ情報は読んでいるはずなのにどうしてこうなっているのか…
本体のみの操作性は悪いのですが、HIFIMAN独自のアプリを使用することで、スマホからリモートでR2R2000のSDカード内の曲を再生することが出来ます。しかしながらそのアプリは日本では未配信。残念ながら使用することはできないです。
一通り使ってみた感想ですが、個人的にはDAPとしてではなくBluetoothレシーバーとしての使用を一番オススメします。接続方法もホーム画面の「Bluetooth」の項目を選択するだけなので簡単です。まぁ接続も数回に一度失敗するレベルなのでそこはストレスが溜まりますが。ちなみに接続してしまえば、最中に接続が切れてしまうということはありませんでした。
そのほか、注意点としてはR2R2000のボリュームがスマホと連動してしまうため、スマホ側のボリュームの段階が少ないものは調整が厳しいです。
最後にR2R2000のバッテリーについてですが、バッテリー持ちは悪いです。スペック上では8時間となっていますが、5時間ぐらいで切れますね。公式ホームページには省エネモードにすることで35時間バッテリーが持つと記載されていますが、そもそもその省エネモードが実装されていません。面白いですね。
さていろいろと操作面について語りましたが、絶望的なまでに悪いです。一方音質は素晴らしいので、以下音質レビューに入りたいと思います。
R2R2000 (RED)の音質レビュー
つづいて音質レビューです。
使用イヤホンは筆者が普段使用している「Campfire audio VEGA」です。バランス接続かつHigh Gainモードが一番よく聞こえたのでその状態でのサウンド傾向を記載していきます。
サウンドの傾向はアタック感の強めな元気サウンドです。特にベースやドラムなどの低域は顕著に表れており、立ち上がりが良く弾むような音を鳴らしてくれます。特にバスドラの迫力が感動レベルでしたね。
高域や中域でも音に芯を感じられ、しっかりと実像を持っている印象です。特にボーカルの立体感やハリ、ツヤ感は他のDAPでは感じたことがないレベルでした。音のつながりもとても良くて、自然なアナログ的な音と言えばいいのでしょうか、生っぽいサウンドです。音の余韻感も素晴らしく、楽器の音の抜けやボーカルのブレスなど非常に心地いいです。(筆者の大好きなシャニマスの楽曲「スローモーション」を聴いた際は灯織さんの歌声があまりにも生生しくて鳥肌が立ちました。息の抜き方がめちゃめちゃ良くわかるんですよね。)
一方、解像感はイマイチです。高解像度・HIFIな音を欲している方にはおすすめできません。R2RDACを採用しているDAPも何個か使用したことがあるのですが、どの機種も解像感は少し劣る印象なのでR2Rの特徴なのかなと思っていたりもします。
サウンド面の注意点としては、駆動力が高いがゆえにノイズが乗ることが挙げられます。Highゲインモードでは顕著で、無音状態では常にサーとノイズが流れてしまいます。LowゲインやSuperLowゲインモードにすれば解決はするのですが、明らかに音が細くなるのでオススメはできません。(特に高域の金物の音などがかなりチープになります。) ちなみにHighゲインは出力が大きすぎて、使用するイヤホンによってはVol1の状態でも音がデカすぎました。ここら辺は悩みどころですね。
R2R2000 (RED)のまとめ
今回はHIFIMANより『R2R2000 (RED)』をレビューしました。
音質に関しては非常に満足度の高い仕上がりでした。全体的にアタック感の強い元気な音かつ、全体の音のつながりがとてもいいので、生っぽいアナログ感のあるサウンドです。結構、現在の製品は高解像度でHIFIなサウンド傾向が多いように感じますが、R2R2000のような音も十分魅力に溢れていると感じます。
欠点は操作性です。一度に表示される行数が6行しかないため、楽曲が大量にあると選曲が苦痛です。あとはタッチキーなのも操作し辛い。リモート操作可能なスマホアプリさえあればDAPとしての使用も耐えれたと思いますが、日本での配信は無し。かつ、実際に出来もそこまでよろしくないみたいですね。
DAPとしての使用は絶望的なレベルですが、高音質なBTレシーバーとして考えれば非常にいい商品だと思います。というか、こう使わないと厳しいというのが私の感想です。
音はとても良いですよ!