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こんにちは。DAPの買い替えを検討しているなんこう(@nankochu_)です。
皆さんは「DAP」を使用していますか? DAPとはDigital Audio Playerの略で、つまるところ音楽再生専用機です。DAPを使うことで音楽を高音質で楽しむことができるのです。
さて、今回は音響機器の販売代理店であるMUSIN様の公式レンタルサービスよりiBasso Audioの『DX240』を借りてみたのでレビューしていこうと思います。
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iBasso と言えば筆者的には高級DAP黎明期に生み出されたAndroid OS搭載DAP『HDP-R10 (DX100)』の印象がとても強く、懐かしく感じますね。あの頃はAndroid自体がそもそも発展途上ということもあり、お世辞にも使い勝手が良かったとは言えない製品でした。音は良かったんだけどね。
それから月日は流れ、エントリーモデルとしてコスパ最強な『DX160』やアンプモジュール交換式のDAPの『DX200』や『DX220』など数多くのDAPを産出してくれました。
今回の『DX240』はそんなiBasso社の最新DAPとなります。製品ラインナップの位置づけとしてはミドルクラスの製品です。もちろんアンプモジュール交換対応。ガジェット好きな筆者的にもモジュール交換式はロマンがあり非常に心をくすぐられます。
それではiBasso社の最新DAP『DX240』をチェックしていきましょう。
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DX240のスペック
『DX240』のスペックを確認していきましょう。
SPEC | DX240 |
---|---|
サイズ [mm] | 124 × 71.5 × 19.4 |
重量 [g] | 205 |
ディスプレイ | 5インチ 1920 x 1080 画素 IPS液晶 |
OS | デュアルOS Android 9.0 / Mango OS |
DACチップ | ES9038PRO |
CPU | Qualcomm Snapdragon660 |
内蔵メモリ | 4GB |
対応フォーマット | MQA、APE、FLAC、WAV、WMA、ACC ALAC、AIFF、OGG、MP3、DFF、DSF DXD、DST(CUE)、ISO、M3U、M3U8 |
再生可能形式 | 最大 768kHz/32bit PCM 22.4MHz DSD |
内蔵ストレージ | 64GB |
拡張性 | MicroSD |
バッテリー容量 | 4400mAh |
最大連続再生時間 | 約 11時間 |
Wi-Fi 周波数帯 | 802.11 b/g/n/ac (2.4Ghz/5Ghz) |
Bluetooth バージョン | Ver. 5.0 |
対応コーデック | 送信のみ:LDAC、aptX 送受信:AAC、SBC |
DX240はAndroid OSと独自のMango OSのデュアル使用。Mango OSは音楽再生専用となっており、Androidでの動作よりもノイズが抑えられています。
DACチップにはハイエンドチップの「ES9038PRO」を採用。
その他、対応フォーマットやBluetooth規格などは標準的なので問題なさそうです。
そして最大の特徴はアンプ部分が別モジュールになっていること。別売りのアンプモジュールに付け替えることで、異なる音に変更可能です!!!
さてそのようにアンプモジュール交換式の『DX240』ですが、デフォルトで付属しているアンプモジュールの『AMP1 MK3』のスペックも確認していきましょう。
SPEC | AMP1 MK3 |
---|---|
出力ポート | 3.5mmステレオ出力 2.5mmバランス出力 3.5mmライン出力 |
3.5mmステレオ出力 | |
最大出力電圧 | 3.1Vrms |
最大出力レベル | 281mW @32Ω 32mW @300Ω |
周波数特性 | 10Hz~45kHz +/-0.1dB |
S/N 比 | 123dB |
ダイナミックレンジ | 123dB |
THD+N | -110dB (1.8Vrms, 無負荷時) -109dB (1.8Vrms, 32Ω 負荷時) |
クロストーク | -117dB |
出力インピーダンス | 0.38Ω |
2.5mmバランス出力 | |
最大出力電圧 | 6.2Vrms |
最大出力レベル | 878mW @32Ω 128mW @300Ω |
周波数特性 | 10Hz~45kHz +/-0.1dB |
S/N 比 | 125dB |
ダイナミックレンジ | 125dB |
THD+N | -114dB (3Vrms, 無負荷時) -114dB (3Vrms, 32Ω 負荷時) |
クロストーク | -119dB |
出力インピーダンス | 0.57Ω |
3.5mmライン出力 | |
最大出力電圧 | 3Vrms |
周波数特性 | 10Hz~45kHz +/-0.1dB |
S/N 比 | 122dB |
ダイナミックレンジ | 122dB |
THD+N | -110dB (1.8Vrms, 無負荷時) |
クロストーク | -116dB |
DX240のパッケージ&付属品
パッケージ
パッケージはシボ加工されていたりと高級感がありますが最近のDAPでは標準的な内容かと。
付属品
付属品
- USB-Type C ケーブル
- 同軸デジタルケーブル
- バランス・バーンインケーブル
- TPU ケース
- スクリーンプロテクター
- クイックスタートガイド
- 保証書
DX240の本体レビュー
外観をチェックしていきましょう。
ボディの材質はアルミニウム製なので非常に軽いです。
ディスプレイは5inchなので十分な大きさですね。
背面はすりガラスのような透明度が低い感じの処理がなされています。また、ラウンドしているのでとても持ちやすいですね。
続いてサイドビュー。右側にはボリュームダイヤル兼電源ボタンを搭載。金色がアクセントになっていてオシャレです。ボリュームダイヤルは硬すぎず軽すぎずちょうどいいですね。誤っていっぱい回してしますことはなさそうです。
ダイヤルの横には右から送り・再生/停止・戻りのボタンがついています。わかりやすくていいです。
左側面にはmicro SDカードスロットがあります。内蔵ストレージが64GBと少し心許ないのでmicro SDカードは必須でしょう。
続いて上部の確認です。上部には充電およびデータ通信用のUSB Type Cコネクタと3.5mm 同軸出力端子が搭載。上にUSBがついているのは珍しいですね。データ転送の際に少し違和感を感じました。
最後に『DX240』の目玉部分、下部のアンプモジュールをチェックです。両サイドのネジを外すことによってアンプモジュールを取り換えることが可能。
標準では『AMP1 MK3』というモジュールが付属しており、こちらの出力系統は3.5mm ステレオ / 2.5mm バランス / 3.5mm ライン出力となっています。
4.4mmバランス出力を使用したい人は別途モジュールの購入が必要です。
モジュール交換はこんなかんじ。めっちゃカッコよくね!? 男心をくすぐられます。
電源を入れるとこのような感じ。普通のAndroidですね。
DX240の使用感
全体 (Android)
全体の使用感はOSがAndroidということもあり、使いやすいです。
SoCも「Snapdragon 660」なのでストレスを感じることなくサクサクと動きます。
動作中の発熱もあまり感じないので安心ですね。
純正アプリ
『DX240』にはiBasso社純正のミュージックプレイヤーアプリがインストールされています。
アルバムやアーティスト、ジャンルなどで楽曲をサーチ可能です。ここら辺は普通ですね。
アルバムアートは2×3で6枚ずつ表示なのは残念ポイント。一覧性が低く楽曲を探しにくいです。
再生画面はこんなかんじ。アルバムアートはもちろんのこと楽曲フォーマットやビットレートなど詳細情報も表示されており十分です。
(それにしてもノクチルのこのアートは最高すぎますね。)
再生画面右上の歯車⚙マークをタップすることでメニューが開きます。
ゲインやイコライザ、デジタルフィルタの変更ができます。
デジタルフィルターの内容はコチラ。
正直違いがあまりわかりませんでした。多少変化はありましたがどれでもいいかなって感じ。
その他アプリケーション
Android OSなのでその他のアプリケーションもインストール可能です。
標準で「google Playストア」がインストールされているのでそこからお気に入りのアプリをインストールしましょう。
- Youtube
問題なく動作可能です。1080pでの再生もまったく不具合ありませんでした。
- Amazon Prime Video
プライムビデオも問題なく再生できました。いい音でお気に入りのアニメを見れるのは良いですね。
以上二つのアプリをチェックしましたが、動画配信サイト系は問題ないでしょう。これらよりも負荷の軽い音楽サブスク系も動くと思います。
確認するまでもないですが、ゲームでの使用はおすすめしません。まともに動かないと思います。
Mango OS
音楽再生専用OSです。こちらに切り替えるとAndroidの動作は完全に停止し、余計な通信等もしなくなるのでノイズフロアが下がるそうです。
メニューの構成等はAndroidの標準プレイヤーと同一。ただし動作がキビキビになりました。
気になる点としては、「アルバム選択のスクロールが早すぎて使いづらいところ」、「楽曲のアーティスト名がアルバムアーティストで表示される」ところがあります。特に二つ目は最悪でコンピレーションアルバムなど複数のアーティストの楽曲が収録されてるアルバムなどは誰の曲かわからなくなります。ここは個人的にも致命的なところですね…
DX240の音質レビュー
つづいて音質レビューに入りましょう。
使用イヤホンは「Campfire audio VEGA」です。
こちらのレビューはデフォルトで搭載されているアンプモジュール「AMP1 MK3」のものになります。
一聴して全体域を平均的に鳴らすバランスのいい音と感じました。低域を盛るだとか、高域の響きを重視するとかはあまりなく、それぞれを均等に鳴らしています。ニュートラルな音といった感想。
解像感や音場もいい方でよく分離され広く聞こえますね。
正直『AMP1 MK3』を聴いた際の印象ってこれくらいで、悪くいってしまえば特徴がなく面白味のない音だなっていう感想です。解像感も高めですが、同価格帯ではより高い解像度のものもあるのでイマイチ。
デフォルトで付属するアンプモジュールなので『DX240』の真髄は他のモジュールに変えたときにあるんだと思います。
AMP8 MK2のレビュー
続いてDX240用のアンプモジュール『AMP8 MK2』も一緒にお借りしたのでレビューします。
『AMP8 MK2』の特徴はAB級のディスクリートアンプ!!めちゃめちゃ期待が高まりますね。
スペック
改めて『AMP8 MK2』のスペックを確認します。
SPEC | AMP8 MK2 | AMP1 MK3 |
---|---|---|
出力ポート | 3.5mmステレオ出力 4.4mmバランス出力 | 3.5mmステレオ出力 2.5mmバランス出力 3.5mmライン出力 |
3.5mmステレオ出力 | 3.5mmステレオ出力 | |
最大出力電圧 | 3.1Vrms | 3.1Vrms |
最大出力レベル | 281mW @32Ω 32mW @300Ω | 281mW @32Ω 32mW @300Ω |
周波数特性 | 10Hz~45kHz (+/-0.3dB) | 10Hz~45kHz +/-0.1dB |
S/N 比 | 122dB | 123dB |
ダイナミックレンジ | 122dB | 123dB |
THD+N | -110dB (No load) -109dB (300Ω load) -98dB (32Ω load) | -110dB (1.8Vrms, 無負荷時) -109dB (1.8Vrms, 32Ω 負荷時) |
クロストーク | -117dB | -117dB |
出力インピーダンス | 0.32Ω | 0.38Ω |
4.4mmバランス出力 | ||
最大出力電圧 | 6.2Vrms | |
最大出力レベル | 980mW @32Ω 128mW @300Ω | |
周波数特性 | 10Hz~45kHz (+/-0.3dB) | |
S/N 比 | 125dB | |
ダイナミックレンジ | 125dB | |
THD+N | -114dB (No load) -113dB (300Ω load) -101dB (32Ω load) | |
クロストーク | -122dB | |
出力インピーダンス | 0.55Ω |
特徴としては4.4mm バランス出力に対応していること。ディスクリート構成になっていることでしょうか。
パッケージ & 付属品
パッケージはコチラ。
アンプモジュールと交換用のドライバーがついていてとてもシンプルです。
本体
本体をチェックしていきます。
出力ポートは3.5mm ステレオミニと4.4mm バランスのみ。シンプルでいいですね。2.4mm バランスを使用したい方は変換コネクタを使ってください。
回路部分はこのようなかんじ。コンデンサの主張が激しい!!(部品の配置が無理やり詰め込んだ感があって不安になります。コンデンサのリードとか大丈夫なんか?)
音質レビュー
『AMP8 MK2』の音質を確認していきます。使用イヤホンは「Campfire Audio VEGA」です。
一聴して『AMP1 MK3』よりも中低域の厚みが増していることがわかります。暖色系でよりブーミーな音色に仕上がっています。
顕著に違いが判る個所としてはドラムのタムの音やバスドラの音があげられます。特にタムの音は、ほかの帯域に打ち消されていたのですが、『AMP8 Mk2』ではカラッと聴きとりやすく主張してくれます。
一方、音場や解像感は『AMP1 MK3』よりも劣っており、こちらはギュッと狭く密度の高い音を出力してくれている印象です。
筆者個人的な印象では上記のようなデメリットを含めても『AMP8 MK2』の方が好みだと感じました。全体的に解像感等は劣ってしまいますが音楽を楽しく聴くという点では『AMP8 MK2』のアナログ感のある音の方がいいと感じたからです。
まとめ
GOOD
- 交換式アンプモジュール採用で拡張性が高い
- ミドルクラスのSoCを搭載しており動作はサクサク
- コンパクト&軽量で扱いやすい
BAD
- 『AMP1 MK3』では音質はイマイチ
- Mango OS時の表示が使いづらい
今回は「iBasso DX240」をレビューしました。
アンプモジュール交換式ということで、自分好みにカスタマイズできることや、気分によって音を変えられるのは非常に楽しいと感じました。ガジェット感があって男心がくすぐられましたね。
音質面では、付属の『AMP1 MK3』ではとてもニュートラルな印象でした。個人的には少し面白味がなかったかな。一方、別売りの『AMP8 MK2』は中低域がブーミーでアナログ感があり、とても楽しい音だと感じました。個人的には『AMP8 MK2』は大いにおすすめできる音です。
今現在、アンプモジュールはこの2種類だけなのが残念なところ。今後の拡張に期待ですね。
DAPをガジェットとしても楽しみたい方にはおすすめです。